各都道府県でジーンバンクを設立しないと、自家採取禁止の売国種苗法が通過で育種権侵害で敗訴する
【目次】
●山田正彦先生の最新動画=2020年2月18日収録
地方から私たちに何ができるかを考えました。
長くなりましたが、最後まで読んでシェア拡散していただけませんか。
①政府はシャインマスカット 等 優良な育種知見が海外に流出するのを防ぐために種苗法の改定が必要と。
本当でしょうか。
2年前に種子法廃止と同時に、農業競争力強化支援法で成立させました。
(同法8条4項)
国会での審議の際に斎藤 健 農水副大臣 は、民間には海外の事業者も含まれると答弁しています。
一方で海外流出を防ぐためとするのは詭弁にすぎません。
しかし、この法律でこれから大変なことになります。
まず、すぐにでも、各都道府県としては自らが開発した優良な育種知見の民間企業への提供を条例で規制することです。
例えば、都道府県議会の承認がなければ民間企業への育種知見の提供できないと。
②今回の種苗法の改定がなされると、これまでは登録品種であっても種苗を購入すれば次作以降、自由に自家増殖(採種)できたものがこれからは一律に禁止になります。
育種権利者から毎年対価を払って許諾を得るか、全ての種苗を購入しなければならなくなります。
農水省は最近、国会議員に、一般品種は大丈夫で、登録品種はほんの一部にすぎないから心配いりませんと説明して回っています。
本当でしょうか。
コメ麦大豆にしても、農家は品種登録されたかなりの品種の自家採種を続けているのが現状です。
農水省に調べていただいた表です。
いちご、サツマイモ、沖縄などのサトウキビ、ことに果樹農家は苗木を1本購入して接木、剪定枝の挿し木なので増殖させて来ましたから影響は深刻です。
本当でしょうか。
地方の条例で、これまでの種苗法の時と同じように、県の育種登録品種は次年度以降何度でも自由に自家増殖ができることを定めてはいかがでしょうか。
③種苗法の今回の改定でもうひとつ大変なことがなされようとしています。
農水省は育種権利者(企業)の為に品種の特徴を特性表にして、それだけで育種権侵害の裁判で勝てるように改定するのです。
これには経緯がありました。
伝統的なナメコ茸の栽培農家が企業から育種権利侵害だとして訴えられましたが、判決では勝訴したのです。
この裁判では茸の特徴だけをみれば育種権を侵害しているかのようにみえるが、現物と比較しなければ判らないとして現物との比較を求めたのです。
カナダの伝統的なナタネ農家がモンサントから育種権を侵害をしてると訴えられて敗訴したように、今日本でも続々と裁判がなされています。
この改定に対して私達には広島県のジーンバンク(遺伝子銀行)が参考になります。
そこでは伝統的な県の種苗を発掘調査して保存管理し、農家に無償で貸し出ししています。
韓国、イタリアなどでも県単位でそのような制度があります。
30年前から野菜等では種子がF1(一代雑種/ハイブリッド )になり、農家は自家採種を止めて毎年種苗を購入するようになったのです。
当時の知事がこれでは広島の伝統的な種子が消えてしまうと心配して、民間にも出資を求めジーンバンクを設立したそうです。
このような制度があれば、民間会社から特性表だけで裁判で訴えられたとしても、私達は先にこのような種苗を栽培していたのだと争えます。
企業による育種登録の取り消しを求めることもできます。
④最後に種苗法改定では触れられていませんが、私たちの食の安全にとって最も大事な種子の話です。
ゲノム編集食品は米国でもnewGMOと言われて、EUでは司法裁判所でも禁止され、各国は遺伝子組み換えと同様の扱いをしているのが現状です。
日本は今年からゲノム編集の種子が安全審査の手続きもされないまま、届出も表示もないままに流通され、農家は知らないで作付けすることになります。
石川県のコメ農家から、北陸農政局から飼料用米についてこれからは反当り11俵以上とれないと補助金を出さないと説明されたそうです。
調べると既に飼料用米にぴったりのゲノム編集種子シンク能改変稲の種が用意されていました。
これにも参考になる先例があります。
北海道の遺伝子組み換え作物に対する条例も良くできています。
これらの事例をもとに、地方自治体で遺伝子組換え及びゲノム編集種子による作付は条例で規制することができます。
今は私達の種子と種苗を守る大事な瀬戸際です。
食と農を守るために地方からできることを今から始めましょう。
発行は3月中旬を予定していますが、申し込みを受付中です。
詳細は以下をご確認ください。
↓
日本の種子(たね)を守る会
●山田正彦先生の最新動画=2020年2月18日収録です。
YouTubeタイトル
「売り渡される食料安全保障の真実」
-ザ・リアルインサイト2020年3月号-
2020/03/01公開
本動画は、元農林水産大臣の弁護士、山田正彦(やまだ・まさひこ)氏講演会の導入部を抜粋したものです(2020年2月18日収録)。
全編(132分)のご視聴方法は、以下のページからご確認ください。
【ザ・リアルインサイト】最新号は↓
http://www.realinsight.academy/tri/ri
山田正彦氏講演会
種子法廃止・種苗法の改定で私達の食糧安全保障はどうなるのか(前編)
種子法廃止・種苗法の改定で私達の食糧安全保障はどうなるのか(後編)
質疑応答